夏が来ると思い出すゾッとする話~おばあさんとゴキブリ~
こんにちは!あいのんです。
今回は夏が来ると毎年思い出す、ゾッとする話をご紹介~。
虫(ゴキブリや蝉)の苦手な方は閲覧注意です。
おばあさんと蝉
私の家には、おばあさんがいます。
私の父方の祖母にあたる人で もう90に近いので、痴呆症も進んできています。
昔の人は戦争を経験しているので体が丈夫な人が多いですが、うちのおばあさんも例に漏れず、痴呆症であること以外はとっても元気です。
暑い日も寒い日も関係なく毎日外をウロウロしていますが、風邪もひかず熱中症にもなりません。
ある暑い夏の日のこと。おばあさんが汗をかきながら蝉の抜け殻を拾ってきて家族に見せて回っていました。
「面白いやろ」
と言ってニコニコしながら見せてくれたのですが、私は虫が苦手なので「ゲッ」と思いました。
一つならまだしも、おばあさんは抜け殻を拾ってどんどん自室の棚の上に並べていきます。
年寄りになるほど童心に返るといいますが、私には何が面白いのかサッパリ分かりませんでした。
◆
何日か経ったある日「ギャー!」というオカンの声が聞こえてきました。
おばあさんの部屋から小走りで出てきたオカンに何があったのか聞くと
「おばあさんが、蝉の死体いっぱい並べてる!」
と言いました。抜け殻だけでは飽き足らず、なんと死骸まで集めていたのです。
いつからそんな蝉コレクターになったのでしょうか。
さすがにハエなど害虫が湧いては大変なので、おばあさんの蝉コレクションは処分しようということになりました。
おばあさんも、しぶしぶ了承。
おばあさんとゴキブリ
ここまではジャブです。
蝉の話でもう「うげえ」となった方はここでブラウザバックを推奨します。
◆
ある夏の日の夜中のことです。
おばあさんの真上の部屋に寝ている父親が、騒音で目を覚ましました。
下の部屋から「ダン!ダン!」と大きな音が響いてきたそうです。
これは何事かと、父親はおばあさんの部屋に向かいました。
ガラガラ…とおばあさんの部屋の引き戸を開けると電気は消えていたそうです。
真っ暗な部屋の中、ダン!ダン!という音は台所のほうから聞こえてきました。
うすぼんやりと、おばあさんの後ろ姿が見えます。父親がおばあさんの背後から近づいていくと、おばあさんが後ろ姿のまま、腕を振り上げました。
おばあさんの手には包丁が握られていました。
それを、目の前の台所にダン!と叩きつけています。
「こんな夜中に何をしてるんや」
父親がおばあさんの振り下ろした台所を見ると
なんとゴキブリを包丁でつぶしていたのです。
「う、うわあ!」
虫が苦手ではない父親でも、そのときばかりは叫んでしまったようです。
「ゴキブリが出たんでな」
おばあさんは笑いながら言いました。暗闇で包丁を握り笑う姿は、さぞや恐ろしかったことでしょう。
おばあさんを寝かせ、朝になると、父親はゴキジェットをもっておばあさんの部屋に向かいました。
ゴキがよく出る年だったので、これはおばあさんの部屋の台所が発生源なのではないかと考えたそうです。
排水口に向けて、シュっと一吹きしてみました。
すると
わらわらわらわら!!!!
なんと10匹近いゴキが我先にと這い出してきたそうです。
「う…うわぁぁあぁあああ!!!!」
もう、パニックです。ゴキジェットをまき散らす父、訳も分からず慌てるおばあさん。
父親は、短時間でこんなに叫んだことは後にも先にもこれっきりだろうと言っていました。
虫との闘いは終わらない
私の家では、ゴキブリに限らずコバエや蚊もいるので毎年夏は虫との仁義なき戦いです。
虫との戦いは、まだまだ続いています。
今年は新たなゾッとする話が生まれないように願うばかりです。笑