あいのんのオタク女子日和

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『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉』書評・ブックレビュー※ネタバレあり

こんにちは!あいのんです。

 

『拝み屋郷内 花嫁の家』

『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉』

 

に続く、シリーズ最終巻となる

『拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉』

 についての読書感想文を今回は書こうと思います。

 

拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉のお話※以下ネタバレあり

高鳥千草の元夫、謙二から娘に亡き妻が憑いたと相談を受けた拝み屋の著者は、さっそく原因の解明に動き出す。その過程で拝み屋の深町と桔梗、占い師の小夜歌、そして霊能師の美琴と浅からぬ縁で繋がり、行動を共にすることになった。一方で、こちらも著者と因縁深い老姉妹の一団が、ある“神さま”を目覚めさせようと暗躍していた……。過去と現在の点と点が線になり、膨れに膨れ上がった災禍の核心に迫る、シリーズ最終巻!

内容紹介より

 前作から直接の続きのお話となります。

 

今作も郷内先生主観のお話と十朱佐知子主観のお話で進みます。

 

前作で佐知子の元にきた、

  • 異能者の姉妹 陽呼・留那呼
  • 弟子の椎那
  • マスコット的存在のイザナミちゃん

 

はシロちゃんの遺骸に眠った神様を目覚めさせようと必死になり、佐知子の家に通います。

 

しかし目覚めさせようとするのを失敗したことから、遺骸を飾り付ける他、神様の魂に力を注ぐことの出来るパワーポンプを作って神様をエボリューションさせようという方針に変わりました。

 

佐知子は、やっと人から受け入れてもらえたことに喜んで、信者たちとも協力して必死で手伝いますが、どうにも上手くいきません。

 

イライラを募らせた姉妹は態度が悪くなり、どんどん空気が悪くなっていきました。

 

姉妹は周辺の拝み屋の陰謀のせいで神様が目覚めないと思い込み、佐知子に拝み屋の家で呪い札を燃やしてくるように言いつけられます。

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しかし浮舟桔梗という拝み屋の家で失敗したことで、弟子の椎那が過去に浮舟桔梗に追い出された過去があることや、佐知子に語った過去が偽りだったことを聞かされる。

 

ようやく騙されていたことに気づいた佐知子は、シロちゃんに罪悪感を抱きます。

 

 すると、佐知子が呟いた言葉がきっかけでシロちゃんだった神様が目覚めてしまいます

 

異能者姉妹も弟子の椎那も目覚めた神様の力のせいか、おかしくなって出て行ってしまい、一人取り残される佐知子。

 

周りの人にも災いを及ぼし始める強大な存在をどうにも出来なくなり、浮舟桔梗に助けを求めます。

 

一方、郷内先生は千草の生前の親友で占い師の小夜歌美琴と共に千草の実家近辺を捜索します。

 

ポンプの存在や家に関する手がかりを見つけ、とあるきっかけから浮舟桔梗を訪ねることに。

 

いよいよ二つの物語が交わり、一つの物語となります。

 

浮舟桔梗は蛇の神様を抑えきれず亡くなっており、娘が二代目の浮舟桔梗となっていました。

 

そこに佐知子も避難して匿って貰っていました。

 

ようやく、郷内先生たちは事の真相、事の重大さを知ることになります。

 

そして今度は美琴と拝み屋の深町の所へ訪問。

 

深町の助手の問題を2人が解決をしたことで、深町はポンプの破壊や紙殺しに協力に賛成することに。

 

こうして郷内先生、小橋美琴、小夜歌、2代目浮舟桔梗、深町の5人は神殺しを決行することを決意します。

 

まさかの真犯人

これが、驚きでした。

 

え、お前かーい!!と思わず口に出してしまうほど驚きでした。

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「花嫁の家」でも散々迷惑をかけたアイツが元凶だったとは…

 

クズは死んでも治らないのだ、と実感。何冊にも渡って手を焼かされていますね。

 

迫りくる怪異たち!

家から元凶である箱を持ち出そうとすると、箱を狙ってお面の女イザナミちゃんが再登場。

 

この辺り、めっちゃスリリングでした~!

 

そして、イザナミちゃんの正体が『拝み屋異聞 うつろい百物語』の「創造の家」で登場した「首から下が真っ赤な骸骨の女」だったのにも驚き!!!

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うつろい百物語が郷内先生の作品との出会いだったので、特にセンセーショナルで頭に残っていたお話でした。

 

陽呼・留那呼は、あのときの清江と純子だったのですね。

 

かつて「あんパンを買ってくる」と郷内先生を騙し、置き去りにして家を出た姉妹の最後の言葉が「あんパン食べたい」「あたくしもお腹すいたわあ」だったのはとっても感慨深かったです。

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解決

皆で力を合わせて満身創痍で何とか神殺しをやり遂げるのですが、今までで一番強大な敵だったなと思いました。

 

郷内先生の師匠もアシストしてくれて、なんとか勝利。

 

しかし誰も死ななかったものの、身を挺してやっつけたミコっちゃんや郷内先生のその後が心配でありました。

 

そして戦いが終わったあとに、千草が美月や謙二と話す場面は号泣でした。

 

怪異により離別させられ、千草が死んでからも振り回され続けた親子がやっと報われた瞬間でした。

 

最後の衝撃

これで終わりかと思いきや、最後の最後でまた、かなりショッキングな内容でした。

 

めちゃくちゃショッキングな内容のお話の衝撃を吹っ飛ばすほど、ショックでした。

 

どこか現実離れした話の最後に出てくるのが、こんなに現実味のあるお話だなんて。

 

郷内先生や奥様の体調が良くなって欲しい…

 

加奈江ちゃん、絶対元の姿に戻って欲しい…

 

そう願わずにはいられませんでした。 

 

 郷内先生の作品のファンの一人として、これからも応援し続けたいと思います。

 

 過去2作のブックレビューはこちら

www.ainonotaku.work

www.ainonotaku.work

 


拝み屋郷内 花嫁の家 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 


拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉 (角川ホラー文庫)

 


拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉 (角川ホラー文庫)