コミュ障オタク女子の「便所飯」のおもいで
こんにちは!あいのんです。
卒業・入学シーズンが来ましたね。
今回は大学生になってすぐの頃、友達が出来ず便所飯をしていた話をしようかと思います。
オタク女子、大学デビューを目論む
中学高校と冴えない学生生活を続けてきたので、今度こそ華やかな学生になりたいと思いました。
デビューの第一歩として、入学前に初めてエクステを装着。
ロングヘアになって気合十分で挑んだ入学式は今も忘れません。
友達が出来ない
しかし、環境が変わっても見た目を変えても、持って生まれた性格が変わる事はありませんでした。
「知らない人に話しかける」という事が昔から苦手で、要は人見知りする性格なんですね。
皆が最初は一人ですが、それも最初の内だけで段々とグループが出来始めます。
一人対一人ではなく、一人対数人になるとより話かけるハードルも上がります。
結局、私は誰にも話しかけることが出来ず一人になりました。
便所飯
便所飯というワードを聞いても、都市伝説のようなもので本当にそんなことしている人なんか存在しないと思っていました。
しかし、私にもその選択肢を選ばざるを得ない時がやってきたのです。
友達が出来ず、一人でご飯を食べるということが恥ずかしくて、どうしても誰にも見られたくないという思いがありました。
学校内で誰にも見られない個室といえば、もうトイレしか思いつきませんでした。
私はトイレを調査することから始めました。
綺麗なトイレを求めてウロウロと校内を彷徨い歩く姿は、不審だったに違いありません。
新館の上の方の階に行くと人気がなくシーンとした階がありました。
コンディションを確認するためトイレに入ると、中もすごく綺麗で「ここや」と思いました。
私の通っていた大学はありがたいことに掃除の方の人数が尋常じゃないほど多く、施設の清掃に力を入れているようでした。
私のランチ場所はここに決まりました。
早速、室内にこもると昼休みが終わるまで誰も来ず安心して過ごせました。
女子を恐怖に陥れる
数日このトイレで食事をする日々が続きましたが、ある日トイレに初めて人が来ました。
女生徒2名がキャッキャと入ってきたので、私は ひっそりと息をひそめ彼女たちが去るのを待ちました。
しかし、二人は楽しそうにお喋りしたり、のんびりメイクをしているようで全然立ち去る気配がありません。
物音を立てず、私はじっとしていました。
すると、やっと彼女たちが出ていきそうになった頃
「ねえ、ここのトイレずっと閉まってない?」と言い出しました。
ドキリ、と胸の奥から嫌な音が。
「そういえば、そうだね。物音もしないし何かここ変だね…」
私は早くどっかいけ~!と心の中で叫びました。
その間、少し沈黙がありました。
「…ほんとだ…なんか怖い。もう行こうよ」
二人組は、怖い怖いと言いながら急ぎ足で去っていきました。
彼女たちの足音が遠ざかるのを確認して、私は安堵のため息をつきました。
このままトイレ飯を続けていたら、いつかお化けにされる!
そう思ったものの、他にどうすればいいのか分かりませんでした。
漫画研究部に入ると言っていた子と少し喋るようになりましたが、なんだか気が合わずやっぱり一人でご飯を食べるほうがマシだと思いました。
私は、家に帰るとストレスで暴飲暴食し始めていました。
救世主、現る
友達が出来ないまま辞めてしまうこともちょっと考え始めたとき、ある授業でついに私は運命的な出会いをしました。
前の席の女の子が、授業のあとで私に話しかけてくれたのです。
少し訛りの入った子で、ニコニコと人懐っこく話しかけてくれました。
私は嬉しくて、笑顔で応えました。すると、ちょうど昼休みに入る時間で
「よかったら、お昼ごはん一緒に食べん?」
と誘ってくれました。
そのとき、私は泣きそうなぐらい嬉しかったのを覚えています。
二つ返事で了解して、この日から私は便所飯を卒業しました。
彼女に連れられて久々に食堂に行くと、もう一人女の子がいました。
俯いてあまり喋らず、ちょっと愛想の悪い子だなぁ、なんて思っていましたがその子も人見知りするタイプだっただけで、すぐに打ち解けて仲良くなりました。
結局 卒業するまでずっと、この三人で仲良く過ごすことに。
その子たちの誘いでサークルにも入り、楽しい大学生活を過ごすことが出来ました。
最初が肝心
皆がグループ化する前に、勇気をもって話しかければ良かったと今になったら思います。
ちょっとした勇気で、救われる人がいます。自分も救われます。
あのとき話しかけてくれた友達には今でも感謝感謝です。